時庭文庫

新刊・新本 | 時庭文庫

時庭文庫

時庭文庫

  • HOME
  • ABOUT
  • BLOG
  • CATEGORY
    • 新刊・新本
    • 文芸
      • フィクション
        • 国内
        • 海外
      • ノンフィクション
        • 国内
        • 海外
      • 詩・歌集 
      • エッセイ・随筆・日記
      • 批評
    • 哲学・思想・教育・宗教・歴史
    • ケア・病
    • 児童書・絵本
      • 児童書
      • 絵本
    • 芸術・音楽
      • 芸術
      • 音楽
    • 漫画
    • 映画・演劇
    • テキスト・その他
    • 雑誌・文芸誌 
      • 雑誌
      • 文芸誌
    • 雑貨
      • 栞
      • ブックカバー
      • 他
    • 料理・レシピ本・生活
  • CONTACT
  • お知らせ
  • ・プライバシーポリシー
  • ・特定商取引法に基づく表記

時庭文庫

時庭文庫

  • HOME
  • 新刊・新本
  • 新本『「なむ」の来歴』斎藤真理子

    ¥1,980

    『「なむ」の来歴』 斎藤真理子 イーストプレス/四六判/280頁 2025/11/20 定価1,800円+税 ーーーーーー 日本、韓国、沖縄、どこへ行っても本は木(なむ)で出来ていた。 ●概要 「三十代初めまでは身近に詩があった。だからこの本にもちょくちょく自分の書いた詩が顔を出す」。著者がこれまで生きてきた日本、韓国、沖縄で感じたこと、言葉にしたこと、詩で表現したこと。三点測量するように書いてきたエッセイを集大成。 ●本文より 韓国に来る前に持っている本を全部売った。古本屋のおじいさんが部屋まで来てくれて十年間私が引越しのたびにひきずって歩いた活字の群れをそっくり引き取ってくれた。さよなら 私の本たち。それはたいそう重かった。 「本って、本当に重いですよね」私が言うと おじいさんが答えた。「さようでございますもともと木でございますからね」(第一章「プラタナス」より) 三十代初めまでは身近に詩があった。だからこの本にもちょくちょく自分の書いた詩が顔を出す。日本語でも一冊詩集を出し、ソウルにいるときには朝鮮語で書き、それらが一九九三年に韓国の民音社から『入国』として出版された。外国人がハングルで書いた珍しい本ということで当時かなり話題になったのである。ちょうど、韓国でいくつかの詩集が驚異的なセールスを記録していた時期だった。崔泳美(チェ ヨン ミ)という詩人の『三十、宴は終わった』(日本語版はハン・ソンレ訳、書肆青樹社)が一九九四年に刊行されて百万部以上という驚異のセールスを記録し、今もおそらくこの記録は塗り替えられていないと思う。私の詩集が読まれ、すぐに重版がかかったのもこうした流れの中のできごとだ。そして、民主化からあまり時間が経っていなかった九〇年代初頭の韓国人たちは好奇心に満ち、新しいもの、変わったものに対して寛容だった。(「あとがき」より) ●著者プロフィール 1960年、新潟市生まれ。翻訳者。著書に『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』『本の栞にぶら下がる』『隣の国の人々と出会う――韓国語と日本語のあいだ』。訳書にチョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、ハン・ガン『ギリシャ語の時間』、チョン・セラン『フィフティ・ピープル』、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』、ファン・ジョンウン『ディディの傘』、李箱『翼――李箱作品集』、パク・ソルメ『未来散歩練習』などがある。2015年、共訳書パク・ミンギュ『カステラ』が第一回日本翻訳大賞受賞。2020年、訳書チョ・ナムジュ他『ヒョンナムオッパへ』で第18回韓国文学翻訳大賞(韓国文学翻訳院主催)受賞。2025年、ハン・ガン『別れを告げない』で第76回読売文学賞(研究・翻訳部門)を受賞。 (以上、版元さまより)

  • 新本『リチャード・ブローティガン』藤本和子

    ¥1,210

    『リチャード・ブローティガン』 藤本和子 ちくま文庫/文庫判/320頁 2025/10/10 定価1,100円+税 ーーーーーー 『アメリカの鱒釣り』などが愛され、しかしピストル自殺に至った作家の人生と作品を、翻訳者にして友人であった著者が描く。解説 くぼたのぞみ (版元さまより)

  • 新本『フラナリー・オコナー全短篇』【上】

    ¥1,650

    SOLD OUT

    『フラナリー・オコナー全短篇』【上】 フラナリー・オコナー 訳・横山貞子 ちくま文庫/文庫判/448頁 2025/9/5 定価1,500円+税 ーーーーー 初版刊行2009/3/10 【目次】 善人はなかなかいない 河 生きのこるために 不意打ちの幸運 聖霊のやどる宮 人造黒人 火の中の輪 旧敵との出逢い 田舎の善人 強制追放者 ゼラニウム 床屋 オオヤマネコ 収穫 七面鳥 列車 解説・ 蜂飼耳

  • 新本『フラナリー・オコナー全短篇』【下】

    ¥1,540

    SOLD OUT

    『フラナリー・オコナー全短篇』【下】 フラナリー・オコナー 訳・横山貞子 ちくま文庫/文庫判/448頁 2025/9/5 定価1,400円+税 ーーーーーー 初版刊行2009/04/08 【目次】 すべて上昇するものは一点に集まる グリーンリーフ 森の景色 長引く悪寒 家庭のやすらぎ 障害者優先 啓示 パーカーの背中 よみがえりの日 パートリッジ祭 なにゆえ国々は騒ぎ立つ フラナリー・オコナー年譜 翻訳者あとがき 文庫判あとがき

  • 新本『斜め論』松本卓也

    ¥2,420

    SOLD OUT

    『斜め論』 松本卓也 筑摩書房/四六判/320頁 2025/9/10初版第二刷 定価2,200円+税 ーーーーーー ケアは、どうひらかれたのか? 「生き延び」と「当事者」の時代へと至る「心」の議論の変遷を跡付ける。 垂直から水平、そして斜めへ。時代を画する、著者の新たな代表作! === 「現代は、ケア論の隆盛に代表されるように、人と人との水平的なつながりの重要性をいうことがスタンダードになった時代である。けれども、単に水平的であればよいわけではない。  水平方向は、人々を水平(よこならび)にしてしまう平準化を導いてしまうからだ。けれども、水平方向には日常を捉え直し、そこからちょっとした垂直方向の突出を可能にする契機もまた伏在している。ゆえに、垂直方向の特権化を批判しつつ、しかし現代的な水平方向の重視に完全に乗るわけでもなく、「斜め」を目指すこと……。  そのような弁証法的な思考を、精神科臨床、心理臨床、当事者研究、制度論的精神療法、ハイデガー、オープンダイアローグ、依存症といったテーマに即して展開したのが本書のすべてである。」 (あとがきより抜粋) === 自己実現や乗り越えること、あるいは精神分析による自己の掘り下げを特徴とする「垂直」方向と、自助グループや居場所型デイケアなど、隣人とかかわっていくことを重視する「水平」方向。 20世紀が「垂直」の世紀だとすれば、今世紀は「水平」、そしてそこに「ちょっとした垂直性」を加えた「斜め」へと、パラダイムがシフトしていく時代と言える。 本書は、ビンスワンガー、中井久夫、上野千鶴子、信田さよ子、当事者研究、ガタリ、ウリ、ラカン、ハイデガーらの議論をもとに、精神病理学とそれにかかわる人間観の変遷を跡付け、「斜め」の理論をひらいていこうとする試みである。 著者は、2015年のデビュー作『人はみな妄想する』でラカン像を刷新し、國分功一郎、千葉雅也の両氏に絶賛された気鋭の精神医学者。デビューから10年、新たな代表作がここに誕生する。 (以上、版元さまより)

  • 新本『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』ナンシー・フレイザー

    ¥1,210

    『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』 ナンシー・フレイザー  訳・江口泰子 ちくま新書/新書判/320頁 2025/9/20第八刷 定価1,100円+税 ーーーーーー 初版刊行2023/8/10 資本主義は私たちの生存基盤を食い物にすることで肥大化する矛盾に満ちたシステムである。世界的政治学者がそのメカニズムを根源から批判する。  なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。それは、資本主義が私たちの生活や自然といった存立基盤を餌に成長する巨大なシステムだからである。資本主義そのものが問題である以上、「グリーン資本主義」や、表面的な格差是正などは目くらましにすぎず、根本的な解決策にはなりえない。破局から逃れる道はただ一つ、資本主義自体を拒絶することなのだ――。世界的政治学者が「共喰い資本主義」の実態を暴く話題作。解説 白井聡 (以上、版元さまより)

  • 新本『視線と差異』グリゼルダ・ポロック

    ¥1,870

    『視線と差異』フェミニズムで読む美術史 グリゼルダ・ポロック  訳・萩原弘子 ちくま学芸文庫/文庫判/512頁 2025/10/10 定価1,700円+税 ーーーーーー なぜ美術史から女の存在が抹消されてきたのか? 西洋近代芸術の歴史が記述・記録される過程において強力に働いてきたさまざまな偏りを明らかにし、その学としてのあり方自体に内在する権力構造と性差別を指摘する。その一方で、フェミニズムからの美術史の問いなおしは、往々にして「ニュー・アート・ヒストリー」というかたちで旧来的な美術史の語りに再包摂されてきた。そうした現状についても鋭く批判し、緻密な検証を積み重ねることで美術史そのものに根源的な変革を迫る論争の書。新版への序文をあらたに訳出した決定版。 (以上、版元さまより)

  • 新本『時間と自己』木村 敏

    ¥836

    『時間と自己』 木村 敏 中公新書/新書判/208頁 2023/6/5 33版 定価760円+税 ーーーーーー 初版刊行1982年 時間という現象と、私が私自身であるということは、 厳密に一致する。自己や時間を「もの」ではなく「こと」として捉えることによって、西洋的独我論を一気に超えた著者は、時間と個我の同時的誕生をあざやかに跡づけ、さらに、ふつうは健全な均衡のもとに蔽われている時間の根源的諸様態を、狂気の中に見てとる。前夜祭的時間、あとの祭的時間、そして永遠の今に生きる祝祭的時間――「生の源泉としての大いなる死」がここに現前する。 (以上、版元さまより)

  • 新本『ラテンアメリカ文学入門』寺尾隆吉

    ¥924

    『ラテンアメリカ文学入門』ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで 寺尾隆吉 中公新書/新書判/240頁 2024/7/15再版 定価840円+税 ーーーーーー 2016年初版刊行 一九六〇~七〇年代に旋風を巻き起こし、世界に強い衝撃をもたらしたラテンアメリカ文学。その潮流はどのように生まれ、いかなる軌跡をたどったのか。ボルヘス、ガルシア・マルケス、バルガス・ジョサ、ボラーニョら作家の活動と作品はもとより、背景となる歴史、世相、出版社の販売戦略なども描き出す。世界的ブーム後の新世代の台頭にも迫った本書は、広大で肥沃な新しい世界へ読者を誘うだろう。ブックガイドにも最適。 (以上、版元さまより)

  • 新本『私たちに名刺がないだけで仕事してこなかったわけじゃない 韓国、女性たちの労働生活史』 京郷新聞ジェンダー企画班 著

    ¥2,420

    『私たちに名刺がないだけで仕事してこなかったわけじゃない 韓国、女性たちの労働生活史』 京郷新聞ジェンダー企画班 著 すんみ/尹 怡景・訳 大和書房/四六判/272頁  2025/7/20発行 定価2,200円+税 ------- 韓国大手新聞社「京郷新聞社」で特別に編成されたジェンダー企画班による、偉大すぎる女性たちの記録 激動の時代、国を影で支えてきたのは「正社員」には数えられない無数の女性たちだった――。 韓国社会を支えてきた50~70代の女性たちへのインタビュー集。 (版元より) 【目次】 prologue ありふれた声を求めて WAY TO WORK 出勤一日目 ほら見ろ、これが女性たちの人生だぞ。 WAY TO WORK 出勤二日目 私たちが働いていないだと? WAY TO WORK 出勤三日目 男尊女卑からフェミニズムまで WAY TO WORK 出勤四日目 ここは都会と違うんです WAY TO WORK 出勤五日目 今日も出勤する女性たち Epilogue 彼女たち一人一人が、一冊の本だった

  • 新本『「働けない」をとことん考えてみた。』 栗田 隆子

    ¥2,090

    『「働けない」をとことん考えてみた。』 栗田 隆子 平凡社/四六判/216頁  2025/2/14発行 定価1,900円+税 ------- 働かない、働けない、働きたくない……。 「普通の働き方」ってなんだろう? ロスジェネ世代、非正規雇用、職場のハラスメント、 うつと休職、生活保護、障害年金── 『ぼそぼそ声のフェミニズム』著者がつづる 〈働けない〉側から考える、あたらしい労働論。 「ウェブ平凡」で話題を呼んだ好評連載に、書き下ろしを加え書籍化! (版元より) 【目次】 はじめに  一章 働かない、働けない、働きたくない ……時代が私に追いついてきてしまったのか? 「正規雇用」の「正」ってナニ? ──正規雇用と非正規雇用の分断の正体 働けない人間の身に起きたこと──年金制度に潜む差別 独身女性のイメージの変遷を追ってみる──ゼロ年代から二〇年代まで インボイス制度──国家や企業の本音が透け透け  「女性活躍」とは何なのか? ──「女性の人権」とは似て非なるもの 世界は無償労働で回っている──有償労働と無償労働の違いって? 二章 「普通になりたい」という願望 “怠ける”というタブー ──うつ病の人が闘う相手とは 「お天気屋さん」として生きている いつまでも楽にならない労働の話 頑張りゃいいってものじゃない 「おおきなかぶ」と「新時代の『日本的経営』」  三章 不安定な私の労働と、働かなくてもよい人たち 「怠け者」列伝  働いているけど、働いてない  不労所得──あるいは「稼ぎ」が目的ではない仕事  ポイ活──消費の導火線、あるいは労働の残滓 おわりに

  • 新本『到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』 渡邊 英理

    ¥2,640

    『到来する女たち 石牟礼道子・中村きい子・森崎和江の思想文学』 渡邊 英理 書肆侃侃房/四六判並製/400頁  2024/6/30発行 定価2,400円+税 装丁 成原亜美 装画 マーク・ロスコ《無題》 ------- 不揃いなままで「わたし」が「わたしたち」になる──。 1958年に創刊された雑誌『サークル村』に集った石牟礼道子、中村きい子、森崎和江が聞書きなどの手法で切り拓いた新たな地平を、『中上健次論』が話題を呼んだ著者が「思想文学」の視点で読み解く。 「『サークル村』を通して、彼女たちが手に入れたのは、儚い「わたし」(たち)の小さな「声」を顕すための言葉であったにちがいない。この新しい集団の言葉は、異質なものと接触し遭遇することで自らを鍛え、異質な他者とともに葛藤を抱えながらも不透明な現実を生きようとする言葉でなければならなかった。支配や権力、垂直的な位階制や序列的な差別から自由で、不揃いなままで水平的に「わたし」は「わたしたち」になる。 三人の女たちは、そのような「わたし」と「わたしたち」を創造/想像し、「わたし」と「わたしたち」とを表現しうる言葉を発明しようとしたのではなかったか」(渡邊英理) ・石牟礼道子(1927-2018)【熊本】……熊本県天草生まれ。詩人、作家。生後すぐに水俣へ。著書に『苦海浄土』『椿の海の記』『西南役伝説』ほか。 ・中村きい子(1928-1996)【鹿児島】……鹿児島生まれ。小説家、作家。母をモデルにした小説『女と刀』は大きな話題を呼び、木下恵介監督によりドラマ化もされた。 ・森崎和江(1927-2022)【福岡】……朝鮮大邱生まれ。詩人、作家。17歳で単身九州へ渡り、58年筑豊炭鉱近郊の中間に転居、谷川雁らと『サークル村』創刊。著書に『まっくら』『慶州は母の呼び声』『非所有の所有』など。 【目次】 はじめに 1 集団・聞書き・女たち 2  「思想文学」として読む 3 三人の横顔 4 本書の構成と概要 第1章 はじまりとしての『サークル村』 1 戦後文化運動と『サークル村』    2 『サークル村』の「女性表現」   3 九州の「南」   4 「南」の女たち   5 「南九州」の集団と文化   6 「戦争小説」/「戦後文学」   7 「エロス」と女たち   8 〈非所有の(非)所有〉   第2章 母の肖像/群像──中村きい子『女と刀』 1 娘による母の伝記   2 「南九州」の宗教と「差別」   3 下級武士の娘   4 不適切な擬態   5 意に沿わぬ結婚   6 抜かれぬ刀、女の争闘   7 〈借り物〉からはじめる   8 あらがねの肌と性愛(エロス) 第3章 連なり越えゆく世界を感受する──石牟礼道子『椿の海の記』 1 あわいを漂う言葉   2 交通と(被)開発の時空   3 分解と再生産、「生類世界」とコモンズ   4 家父長制とケアの実践   5 ケアする人びと   6 「女」という階級   第4章 不透明な他者と女同志の絆──森崎和江『遙かなる祭』  1 小フィクション説という言葉の機構   2 放浪という運動性   3 日本の二重構造   4 批判としてのフィクション   5 階級/性/「民族」 6 異郷の神々と女たちの「交流」   7 海と女の思想圏 第5章 交差する言葉、流動する女たち    1 「失対人夫」、「都市雑業層」   2 階級と性、あるいは労働と愛   3 「流民/型労働者」と被差別民   4 「流民」の女たち   5 到来する女/言葉 註 あとがき 【著者プロフィール】 渡邊英理(わたなべ・えり) 熊本県生まれ、鹿児島県(霧島市・鹿児島市)育ち。大阪大学大学院人文学研究科教授。日本語 文学、批評/批評理論、思想文学論。東京大学大学院総合文化研究科単位取得後満期退学。博士 (学術、東京大学、二〇一二年)。 主要著書に、単著『中上健次論』(インスクリプト、二〇二二年七月、第一四回表象文化論学会 賞)、共編著『クリティカルワード 文学理論』(三原芳秋・鵜戸聡との編著、フィルムアート社、 二〇二〇年)、共著『〈戦後文学〉の現在形』(紅野謙介・内藤千珠子・成田龍一編、平凡社、二 〇二〇年)、共著『文学理論の名著50』(大橋洋一・三原芳秋編著、平凡社、二〇二五年)、共著 『二十一世紀の荒地へ』(酒井直樹・坪井秀人との鼎談収録、以文社、二〇二五年)など。 論文に、「戦争と女たち― 鈴木忠志の演劇における「現代世界」と「戦後日本」」『思想』二〇 二四年八月号(岩波書店、二〇二四年七月)、「復讐と砂漠― 安部公房『砂の女』と〈戦後文 学〉」『現代思想』一一月臨時増刊号(青土社、二〇二四年一〇月)、「未完の晩年様式、未決の 「アジア的想像力」」『群像』二〇二四年七月号(講談社、二〇二四年六月)など。文芸批評では、共同通信・文芸時評「いま、文学の場所へ」(二〇二三年四月〜)、「女たちの群像」 『群像』(講談社、二〇二五年五月号〜)、「おごじょの本棚」『西日本新聞』(二〇二五年六月〜)、 「新人小説月評」『文學界』(文藝春秋、二〇二三年八月号〜二〇二四年七月号)などを連載。森崎和江 『能登早春紀行』「解説・旅する言葉、海と女の思想圏」(中公文庫、二〇二五年)、温又柔 『魯肉飯のさえずり』「解説」(中公文庫、二〇二三年)など、文庫解説も手がけている。 (版元より)

  • 新本『誰もが別れる一日』 ソ・ユミ

    ¥1,870

    『誰もが別れる一日』 ソ・ユミ  訳・金みんじょん/宮里 綾羽 明石書店/四六判/224頁  2025/2/28第二刷 定価1,700円+税 ------- 韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説。 (版元より) 【目次】 エートル 犬の日々 休暇 後ろ姿の発見 その後の人生 変わっていく 解説 ついに立ち上がる人々 作家のことば 訳者あとがきⅠ 訳者あとがきⅡ

  • 新本『群れから逸れて生きるための自学自習法』 向坂くじら/柳原浩紀

    ¥1,980

    『群れから逸れて生きるための自学自習法』 向坂くじら/柳原浩紀 明石書店/四六判/192頁  2025/4/20第二刷 定価1,800円+税 ------- 注目の詩人と教育者による、アウトサイダーのための勉強論 「勉強するのに仲間はいらない。むしろ、ひとりでいるために勉強が必要なのだ」。群れず、つるまず、あなた自身でいるための学び方とは。その試みは、他者を理解し、世界をゆがみなく捉える第一歩となる。一斉授業に困難を抱える中高生から、学び直しを求める大人まで。 朱喜哲(哲学者)推薦! 勉強は、あなたの孤独を守り、 そして自由にする。 学校が苦手で、それでも大学で 哲学をやると信じていた 14歳のわたしと、いま14歳のあなたに、 本書が届きますように。 (版元より) 【目次】 はじめに なぜ勉強の方法を知る必要があるのか? 【理論編】 01 学ぶとは何か?──目的と手段、そして対話 02 読む──すべての勉強はここからはじまる 03 理解する──少しはみ出すくらいがいい 04 覚える──ぶらぶら散歩するのがいい 05 言語化する──つまり、軽々と間違えること 06 考える──制約と跳躍 【実践編】 07 英語  ◇コラム 勉強する理由は「楽しいから」か? 08 数学  ◇コラム テストとは何か? なぜ試験勉強は勉強ではないのか? 09 国語  ◇コラム 勉強仲間は必要か? 10 社会  ◇コラム くじけるとは何か? 正しいくじけ方について 11 理科  ◇コラム なぜ学習法が大切なのか? 努力に逃げないことを頑張る  おわりに  参考文献/教材リスト

  • 新本『無意味なんかじゃない自分』ハンセン病作家・北條民雄を読む 荒井裕樹

    ¥2,200

    『無意味なんかじゃない自分』ハンセン病作家・北條民雄を読む 荒井裕樹 講談社/四六判/272頁  2025.5.19発行 定価2,000円+税 ------- 川端康成にその才能を認められながら、 ハンセン病によって23歳でこの世を去った作家・北條民雄。 文学史に輝く傑作『いのちの初夜』を遺した若き小説家は、 なぜ病を抱えてなお書き続けたのか。 気鋭の文筆家がたどり着いた文芸評論の新境地! *********************** ぐっと近づいて北條民雄を見つめると、 「その気持ちわかるなあ!」が心から溢れてきた。 私たちはみんな弱い。 弱いままで強く生きた人の叫びがここにある。                 市川沙央 *********************** 【目次】 はじめに 第一章 差別の歴史を振り返る   第二章 差別の感覚を掘り起こす 第三章 北條民雄の生涯   第四章 隔離の中の北條民雄   第五章 差別される自分に戸惑う 「いのちの初夜」を読む(その一)   第六章 光の中の毒を読む 「いのちの初夜」を読む(その二)   第七章 無限ループを走り続ける 〈社会的人間〉とは   第八章 「作家」という生存戦略 北條民雄の日記を読む(その一) 第九章 言葉と心の落差 北條民雄の日記を読む(その二)   第一〇章 麗しく迷惑な友情 北條民雄の日記を読む(その三) 終章 終わりに  (以上、版元より)

  • 新本『水棲生物』オズヴァルド・ルワット

    ¥2,970

    『水棲生物』水の底のアフリカ オズヴァルド・ルワット 訳・大林 薫 講談社/四六判/368頁  2025.4.16発行 定価2,700円+税 ------- アカデミー・フランセーズ賞フランス語文学賞、全アフリカ文学賞、アマドゥ・クルマ文学賞……カメルーン出身のドキュメンタリー監督による、賞総なめの衝撃作! ジェンダーをめぐる差別が根強く抑圧的な社会で「自分」を生きるために闘う人を映しとる! 貧富の格差、女性差別、性的マイノリティへの弾圧。 家父長制と因習に縛られ、権力闘争が渦巻く国ザンブエナ。かつて教師として働いていたカトメは、野心的な政治家の妻として夫を支えるかたわら、親友のアーティスト、サミーの創作活動を支援していた。反体制的な表現者、そして同性愛者であるサミーの個展の幕開け、それは二人の運命の新たな扉でもあった。 私たちは皆、水の底で生きている。 著者 オズヴァルド・ルワット(オズヴァルド・ルワット) 1976年カメルーン生まれ。母親の影響で、少女時代は映画観賞や写真撮影に熱中する。パリ政治学院卒業後はカメルーンでジャーナリズムを学び、新聞社で働くが、職業上の制約や言論の不自由にぶつかる。その後、パリの国立映画学校(FEMIS)とモントリオールの国立映像音響学院(INIS)で映像制作を学び、在学中に初のショートフィルム(北米先住民を扱ったドキュメンタリー)を撮る。以降、次々とドキュメンタリー作品を制作。そのうちのいくつかは国際映画祭などで高く評価され、賞を獲得した。フォトグラファーとしても精力的に活動し、パリ、ニューヨーク、キンシャサなどの都市で写真展を開催する。 翻訳者 大林 薫(オオバヤシ カオリ) フランス語翻訳家。青山学院大学フランス文学科卒業。主な訳書にジャコメッティ&ラヴェンヌ『ナチスの聖杯』『邪神の覚醒』『亡国の鉤十字』(以上、竹書房文庫、監訳)、ラウィック『わたしの町は戦場になった シリア内戦下を生きた少女の四年間』(東京創元社)、ヴィスコリオージ『モンブラン』(エディション・エフ)がある。 (以上、版元より)

  • 新本『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』

    ¥1,034

    『生きるためのブックガイド 未来をつくる64冊』 岩波ジュニア新書/新書/200頁  2025.5.20発行 定価940円+税 ------- 自己と対話し、他者を知る。世界を学び、未来をつくる。新しい何かを生み出す。きちんとした知識を得るためにも、あなたがあなたであることを妨げられないためにも、本を読んで考える営みを知ってほしい。新書、人文書、自然科学書、ノンフィクションなど、22人の識者が「小説・物語」以外の本を紹介する、新しい読書案内。 はじめに 自分・人間を知る  心を知る◎人生を生き延びるために 松本俊彦  身体を知る◎身体という他者 尹雄大  他者を知る◎日本の中の他者 斎藤真理子  社会を知る◎世界を変えるために 重田園江 世界を知る  自然・生きもの・環境◎科学の方法に目を向ける 盛口満  自然科学◎挑戦する科学の歴史と現在 青木薫  つながる世界の歴史◎世界商品、資本主義と人種 貴堂嘉之  人びとの歴史◎「なかったこと」にしないために 寺尾紗穂  旅する・冒険する◎体験から考える 荻田泰永 生きるために  貧困・格差◎苦しさの根源はどこにあるのか 岩本菜々  次世代に手渡す◎人権・差別問題と向き合う 安田菜津紀  現実に向き合う◎ふつうって何? 星野俊樹  抵抗する・連帯する◎抗う声に耳をすます 榎本空  働くこと・労働◎他者とともに在る営み 勅使川原真衣 未来を選ぶ  差別・人権◎明るいほうへ、おもしろいほうへ 金井真紀  政治・政治参加◎この社会をつくっているのは誰? 能條桃子  戦争をしないために◎声をきき、考える 永井玲衣  アナキズム◎わたしがわたしを生きるために 高島鈴  クィア◎共に生きられる未来のために 水上文 想像・創造する  物語をつくる◎なぜいま私が生きている世界がこんなふうなのかを知りたくて 小林エリカ  絵本をつくる◎いつも世界は新しい 舘野鴻  漫画をつくる◎好奇心の源を探る トマトスープ  おわりに  この本で紹介した書籍の一覧  執筆者一覧  本文イラスト=芦野公平はじめに 自分・人間を知る  心を知る◎人生を生き延びるために 松本俊彦  身体を知る◎身体という他者 尹雄大  他者を知る◎日本の中の他者 斎藤真理子  社会を知る◎世界を変えるために 重田園江 世界を知る  自然・生きもの・環境◎科学の方法に目を向ける 盛口満  自然科学◎挑戦する科学の歴史と現在 青木薫  つながる世界の歴史◎世界商品、資本主義と人種 貴堂嘉之  人びとの歴史◎「なかったこと」にしないために 寺尾紗穂  旅する・冒険する◎体験から考える 荻田泰永 生きるために  貧困・格差◎苦しさの根源はどこにあるのか 岩本菜々  次世代に手渡す◎人権・差別問題と向き合う 安田菜津紀  現実に向き合う◎ふつうって何? 星野俊樹  抵抗する・連帯する◎抗う声に耳をすます 榎本空  働くこと・労働◎他者とともに在る営み 勅使川原真衣 未来を選ぶ  差別・人権◎明るいほうへ、おもしろいほうへ 金井真紀  政治・政治参加◎この社会をつくっているのは誰? 能條桃子  戦争をしないために◎声をきき、考える 永井玲衣  アナキズム◎わたしがわたしを生きるために 高島鈴  クィア◎共に生きられる未来のために 水上文 想像・創造する  物語をつくる◎なぜいま私が生きている世界がこんなふうなのかを知りたくて 小林エリカ  絵本をつくる◎いつも世界は新しい 舘野鴻  漫画をつくる◎好奇心の源を探る トマトスープ  おわりに  この本で紹介した書籍の一覧  執筆者一覧  本文イラスト=芦野公平 (以上、版元より)

  • 新本『ひめゆりの沖縄戦 少女は嵐のなかを生きた』伊波園子

    ¥946

    『ひめゆりの沖縄戦 少女は嵐のなかを生きた』 伊波園子 岩波ジュニア新書/並製/212頁  2025.7.15 第51刷発行 定価860円+税 ------- 半世紀前,一〇代の少女たちが戦争の中を生きた.「飯上げ」,壕掘り,傷病兵の看護.危険な激務は彼女たちを,死の危険にさらした.壕での生活にはじまり,南部への逃避行を経て,ついに最南端まで追いつめられていく.ひめゆり学徒隊の一少女の目を通して,沖縄戦の実相が浮き上がる.戦跡ガイドつき. (出版社より)

  • 新刊『マリヤの賛歌』城田すず子

    ¥1,408

    『マリヤの賛歌』 城田すず子   岩波現代文庫/A6・並製/314頁  2025.6.13発行 定価1,280円+税 ------- 紹介 「慰安婦」であったことを名乗り出た数少ない日本人として知られる城田すず子。一七歳で芸者屋に売られてから三四歳で婦人保護施設に入所するまで、私娼や「慰安婦」として戦中戦後を生き抜いた苦難の日々を自ら語った貴重な記録。戦時にとどまらない性搾取構造の問題への新たな視座を提供する解説(平井和子)を付して文庫化する。 目次  まえがき(深津文雄) 1 下町娘として 2 転落の淵 3 尋ぬれど我家は 4 ふたたび泥沼へ 5 砲弾下の女たち 6 浦賀の岸に 7 危い橋をわたり 8 流れながれて 9 ひとり生き残る 10 初秋の風 11 更生への道 12 この卑しい女をさえ 13 制服の女性 14 晴天白日 15 軽井沢の冬はながく 16 復活祭の夜 17 妹たちと共に 18 パン屋の夢 19 コロニーへの祈り 20 挫折  あとがき(深津文雄)  岩波現代文庫版解説(平井和子) 著者プロフィール 城田 すず子 (シロタ スズコ) (著) 城田すず子 Suzuko Shirota 1921年,東京のパン屋の家に生まれる.母親の死後に家業が傾くと神楽坂の芸者屋に売られ,戦前から戦後にかけて国内外の遊廓や軍「慰安所」で性売買に従事.1955年に日本基督教婦人矯風会運営の「慈愛寮」に入寮.その後,ベテスダ奉仕女母の家の運営する「いずみ寮」を経て1965年に「かにた婦人の村」に入所,後半生を過ごす.1993年没. (以上、版元より)

  • 新刊『日本軍慰安婦』吉見義明

    ¥1,232

    『日本軍慰安婦』 吉見義明 岩波書店/新書/302頁  2025.7.18発行 定価1,120円+税  ------- 一九九一年の金学順さんの告発に衝撃をうけた著者は関係文書を丹念に収集分析し、九五年刊行の『従軍慰安婦』で「慰安婦制度」の主体が軍であったことを明らかにした。しかし「軍慰安婦」たちの苦難を否定する声は今も後を絶たない。前著刊行後明らかになった多数の資料や証言も用い、あらためてその全体像と実態を描き出す。 目次 はじめに Ⅰ 軍慰安所の最初の設置――満洲事変期  1 軍慰安所と軍慰安婦  2 最初の軍慰安所と陸軍の前史  3 満洲と熱河省の場合 Ⅱ 軍慰安所の大量設置――日中全面戦争期  1 華中での設置  2 華北での設置  3 華南での大量設置  4 満洲での設置  5 陸海軍中央と国家の主導 Ⅲ 東南アジア・太平洋地域への拡大――アジア太平洋戦争期  1 東南アジア・太平洋地域での設置  2 陸軍省・海軍省の主導  3 日本軍はなぜ軍慰安所を必要としたか  4 軍慰安婦の人数・出身地と様々な慰安所 Ⅳ 女性たちはどのように集められたか  1 日本から  2 朝鮮から  3 台湾から  4 中国で  5 東南アジア・太平洋地域で Ⅴ 軍慰安婦が置かれた状態  1 管理・統制の実態  2 軍慰安婦の日常はどのようなものだったか  3 軍慰安婦の抵抗と主体性 Ⅵ 軍慰安所と兵士と日本社会  1 軍慰安所の利用  2 軍慰安所の拒否  3 性買売と日本社会 Ⅶ 日本軍と日本政府はどのような法律に違反したか  1 軍慰安婦をめぐる戦争犯罪裁判  2 日本はどのような法律に違反したか Ⅷ 敗戦直前および敗戦後の状況  1 ソ連軍用慰安所の設置  2 連合国軍用慰安所の設置  3 軍隊に慰安所はつきものか――各国軍隊の状況  4 軍慰安婦の戦後  おわりに――軍慰安婦賠償運動の歴史と残された課題   1 問題の浮上からアジア女性基金の活動まで   2 世界人権会議から日韓合意まで  あとがき  参考文献 著者略歴 吉見義明(よしみ・よしあき) 1946年生まれ.1970年東京大学文学部卒業.1973年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退.中央大学名誉教授,大阪公立大学大学院客員教授.日本近現代史 著書―『焼跡からのデモクラシー――草の根の占領期体験(上下)』(岩波現代文庫,2024年),『草の根のファシズム――日本民衆の戦争体験』(岩波現代文庫,2022年),『買春する帝国――日本軍「慰安婦」問題の基底』(岩波書店,2019年),『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(岩波ブックレット,2010年),『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店,2004年),『従軍慰安婦』(岩波新書,1995年),『従軍慰安婦資料集』(編集・解説,大月書店,1992年)など (以上、版元より)

  • 新本『メイ・モリス ―父ウィリアム・モリスを支え、ヴィクトリア朝を生きた女性芸術家』 大澤麻衣

    ¥2,530

    『メイ・モリス ―父ウィリアム・モリスを支え、ヴィクトリア朝を生きた女性芸術家』 大澤麻衣 書肆侃侃房/四六判並製/口絵カラー16ページ+本文288ページ  2025.3.25発行 定価2,300円+税 装丁 クルール ------- モリス商会創設150周年 刺繍は高度な技術とセンスを必要とする芸術ですが、それに携わってきた女性たちは芸術家として扱われてきませんでした。この本はそんな刺繍に人生を捧げた女性アーティストの姿を浮き彫りにします。  ――北村紗衣 “私は普通の女ではありません。昔からそうでした。誰もそう思ってはいなさそうですが”――メイ・モリス アーツ&クラフツ運動の巨匠ウィリアム・モリスの娘、メイ・モリス。彼女は父の影に隠れながらも「ハニーサックル」などモリス商会の代表的なデザインを手がけた才能豊かなアーティストだった――。刺繍、服飾、ジュエリーなど多岐にわたる作品を創り出し、激動のヴィクトリア朝を生き抜いた彼女の功績はこれまでなぜあまり知られていなかったのか?一人の女性として、そして時代の先駆者として生きたメイ・モリスの生涯を紐解く。 モリス商会の原点であるレッド•ハウス。アーツ&クラフツが繁栄したハマースミスの街。メイにとって終の棲家となったケルムスコット•マナー。メイによる大作が誕生したメルセッターなど、モリスゆかりの地に、メイの幼少から晩年までをたどる写真、メイが描き遺した水彩画とスケッチなど、画像を50点以上掲載。 メイ・モリス May Morris 1862年 ロンドン郊外ベックスリーヒース生まれ。ウィリアム・モリスとジェーン・バーデンの間に授かった二人娘のうちの末娘。刺繍家、デザイナー、彫金家、社会主義運動家、編集者。代表作はモリス商会の壁紙「ハニーサックル」のデザイン。 幼い頃から両親の元でデザインや刺繍に親しみ、23歳という若さでモリス商会の刺繍部門を任せられる。中世の技術を見習ったメイの作品は、刺繍というよりも絵画のようであり、刺繍に対するそれまでの概念を覆し、芸術と呼ばれるに値する刺繍作品の地位を確立させた。生涯において社会主義を支持、労働者や女性の権利のために行動を起こし続けた。脚本家ジョージ・バーナード・ショーとの恋愛、離婚を経験し、晩年は女性と同居するなど、ヴィクトリア朝時代の女性芸術家としては物議をかもしだす存在であったが、生涯において様々な方面で才能を発揮した。アーツ&クラフツにおいて歴史的重要人物でありながらも、その偉業は20世紀に至るまで忘れられていた。 【著者プロフィール】 大澤麻衣(おおさわ・まい) 日本大学芸術学部卒。デザイナー、アーティスト、版画家。イギリス南東部のスタジオにて、危険な薬剤を使わないノントクシック・エッチングの技術を研究しながら主に凹版画の教室を主催している。著書に『イギリスの小さな教会』(書肆侃侃房)がある。 【もくじ】 プロローグ 第一部 両親の出会い 第1章 はじまりはオックスフォードから 第2章 ウィリアム・モリス 第3章 夢と希望の家 第二部 商会のはじまり 第4章 メイの誕生 第5章 モリス・マーシャル・フォークナー商会 第6章 夢の終わり 第三部 幼少時代 第7章 クイーン・スクエア二十六番 第8章 ロセッティとジェーン 第9章 ケルムスコット・マナー 第四部 少女期 第10章 ジェニーとメイ 第11章 ホリントン・ハウス 第12章 ノッティンクヒル・スクール 第五部 十代 第13章 モリス商会と壁紙 第14章 愛の終わり 第15章 ブロードウェイ・タワー 第16章 イタリアへ 第17章 ケルムスコット・ハウス 第六部 学生時代 第18章 トレーニングスクール 第19章 メートン・アビー製作所 第20章 モリス商会の刺繡部門 第七部 社会主義 第21章 社会主義同盟 第22章 女性活動家たち 第23章 ジョージ・バーナード・ショー 第八部 ハマースミス 第24章 スパーリング夫人として 第25章 アーツ&クラフツ展覧会協会 第26章 ハマースミス・テラス 第27章 刺繡部門の女性たち 第28章 ケルムスコット・プレス 第29章 メイの繁栄 第九部 別れ 第30章 ケルムスコットのベッドのために 第31章 父の死 第32章 別々の道へ 第十部 メイ・モリスとして 第33章 教壇へ 第34章 ジュエリー 第35章 メモリアル・コテージ 第36章 メルセッター・ハウス 第十一部 そして世界へ 第37章 ウーマンズ・ギルド・オブ・アー 第38章 北米ツアー 第39章 最後の恋愛 第十二部 別れと出会い 第40章 ウィリアム・モリス著作集 第41章 メアリー・アニー・スローン 第42章 母の死 第43章 マナー・コテージ 第44章 第一次世界大戦 第十三部 ケルムスコット 第45章 ケルムスコット・マナー 第46章 父の軌跡を追って 第十四部 晩年 第47章 メモリアル・ホール 第48章 晩年 第49章 遺された偉業 エピローグ あとがき 人物相関図 メイ・モリス略歴 メイとモリスとアーツ&クラフツゆかりの地 参考文献 (以上、版元より)

  • 新本『大江満雄セレクション』木村哲也編

    ¥2,200

    『大江満雄セレクション』 木村哲也編   書肆侃侃房/四六判並製/264頁  2025.3.14発行 定価2,000円+税 装幀:成原亜美 装画:古田洋志 ------- ぼくらを感激さすものは ぼくら自身がつくらねばならぬ (「雪の中で」より) ハンセン病療養所の入所者による合同詩集『いのちの芽』を編んだ詩人大江満雄の代表的な仕事を精選した作品集。 プロレタリア詩運動の中心で活躍した後、戦争詩の時代を経て、戦後の激動期を生き抜いた大江満雄。常に混交のなかに身を置き、社会の片隅で生きる人たちへのあたたかいまなざしにあふれた作品群を残した。単行本初収録作品を含む詩63篇と散文8篇を収録する。 「大江満雄は、多様で異質な人たちが、どうすれば互いに理解し合うことができるかを探究した詩人だ。他者との相互理解に至るために、独自の詩の世界を切り拓き、新たな対話思想を展開した。その詩学の輝きは、現在も魅力を失っていない」(編者解説より) ◆『大江満雄セレクション』刊行に寄せて「いまよみがえる対話の詩学」(木村哲也) 「大江満雄という詩人は、どうして詩の世界から忘れられたのか。忘れられて当然の詩人だったのか。『大江満雄セレクション』では、そのことを問いたい」 ◆管啓次郎さんによる書評「大江満雄メモ」 「大江満雄が詩について考えたこと、詩作品として書いたものは、今日でもいささかも古びていない。彼は詩人としてわれわれの同時代人であり、隣人であり、必要なら同志にもなってくれるだろう」 ◆瀬尾夏美さんによる書評「星と漁火 隔たりをいつわらないこと」 「大江満雄は、他者とともにあるということに、まっすぐに、きわめて実践的に向き合い続けた詩人だと思う」 【目次】 詩(「日本海流」「四万十川」「四方海」「癩者の憲章」ほか63篇) 散文(「詩の絶壁」「ライ文学の新生面」「日本思想への転向者フェレイラ」ほか8篇) 編者解説 編者あとがき 大江満雄年譜 【著者プロフィール】 大江満雄(おおえ・みつお) 1906年高知県生まれ。詩人。10代で父とともに上京。原宿同胞教会にて受洗。詩を書き始める。プロレタリア文学運動の中心で活躍。そのため治安維持法違反で検挙、転向。以後、戦争詩を書く。戦後はヒューマニズムを基調とする思想的抒情詩を多数発表した。詩集に『血の花が開くとき』(1928年)、『日本海流』(1943年)、『海峡』(1954年)、『機械の呼吸』(1955年)、『自選詩集 地球民のうた』(1987年)。その他、ハンセン病療養所入所者の合同詩集『いのちの芽』編集、解説。多くの評論、児童文学の作品ものこした。1991 年心不全により死去。享年85。没後、『大江満雄集―詩と評論』(思想の科学社、1996年)が刊行された。 【編者プロフィール】 木村哲也(きむら・てつや) 1971年生まれ。国立ハンセン病資料館学芸員。2023年に企画展「ハンセン病文学の新生面 「いのちの芽」の詩人たち」担当。『詩集 いのちの芽』(岩波文庫、2024年)解説を執筆。著書に『『忘れられた日本人』の舞台を旅する──宮本常一の軌跡』(河出文庫、2024年)、『来者の群像──大江満雄とハンセン病療養所の詩人たち』(編集室水平線、2017年)、編著に『内にある声と遠い声──鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)など。 (以上、版元より)

  • 新本『生きる力が湧いてくる』野口理恵

    ¥1,980

    『生きる力が湧いてくる』 野口理恵 百万年書房/四六変形判 /224頁  2025.4.30発行 定価1,800円+税 ------- 「私は母と兄を自死で亡くしている。父も十代で他界し、祖父母はもういない。一度結婚をして息子がいるが親権は離婚した元夫がもっている。私はおそらく多くの人がもつ家族観をもっていない。おそらくこれからももつことはできない。」「顔の見えない読者が、ひとりでも、ふたりでも、生きたいと強く思えるような本づくりを(私は)したい」(本文より) 暮らしレーベル第7弾。 目次 昼間に風呂に入る 家族  生きる力が湧いてくる 酔う 大切なあなた 祝祭の日々 USO かわいいあの子 優しい兄 テニスが下手な女の子 夜、空を見上げる USO Nの起源 USO 見えないアングル 正月嫌い 朝、虎ノ門で仕事を終える 遠くに住んでいるあの子 自由の証 今日も吉祥寺のルノアールで 太く、長く、濃く しあわせの、となりにあるもの それよりぼくと踊りませんか 発声のすばらしさ 中華料理とお節介 居場所をくれてありがとう 物語のはじまりには、ちょうどいいのさ あなたと私のあいだにあるもの USO Nのお葬式 あとがき 版元ドットコム「版元日誌」(https://www.hanmoto.com/nisshi1118)で大反響を巻き起こした、『USO』誌編集長にしてrn press社主・野口理恵の初著作。 (版元より)

  • 新本『山影の町から』笠間 直穂子

    ¥2,200

    『山影の町から』 笠間 直穂子 河出書房新社/単行本四六判/224頁  2024.12.2発行 定価2,000円+税 ------- アスファルトの世界を離れ、わたしは秩父へ移り住むことにした――庭と植物、自然と文学が絡み合う土地で、真摯に生きるための「ことば」を探す。練達の仏文学者による清冽なエッセイ集。  *   *   * 秩父の自然を綴るなかに、深い霧のような知の涼気が渡る。清しく果敢な精神のかたち。 ――小池昌代 風や水のゆらめきを気配で感じとる耳には、歴史の奥に消された声さえ聞こえる。 ――くぼたのぞみ    *   *   * ・窓から風に乗って流れ込んだ常山木の、爽やかで甘い濃厚な匂いに導かれて(「常山木」)。 ・生命の表と裏を引き受ける誠実さの方へ(「巣箱の内外」)。 ・経済活動からはこぼれ落ちる、豊かな交換の倫理(「ふきのとう」)。 ・外来種という呼称がはらむ排外主義の芽と、植物がみせる「明日の風景」(「葛を探す」)。 ・宮沢賢治が見上げた秩父の空(「野ばら、川岸、青空」)。 ・鮮やかで深い青紫の花と、家の記憶について(「サルビア・ガラニチカ」)。 ・切り捨てられた人間と動物がともにある世界へ(「車輪の下」)。 ・都市優位の世界観を解きほぐす作家たち(「田園へ」)。 ・見知らぬ女性からの言葉が届く場所で、わたしは届くはずのない文章を待っている(「消される声」)。 ・空の無限、星の振動、微かに吹く風は、わたしたちに語りかける(「風の音」)。 ……ほか珠玉のエッセイ、三十篇 (版元より) 笠間 直穂子 1972年宮崎県生まれ。国学院大学文学部教授。翻訳者。著者に『鳥たちのフランス文学』ほか、訳書にM・ンディアイ『心ふさがれて』(第15回日仏翻訳文学賞)、G・クレマン『第三風景宣言』ほか。

時庭文庫

  • HOME
  • ABOUT
  • BLOG
  • CATEGORY
    • 新刊・新本
    • 文芸
      • フィクション
        • 国内
        • 海外
      • ノンフィクション
        • 国内
        • 海外
      • 詩・歌集 
      • エッセイ・随筆・日記
      • 批評
    • 哲学・思想・教育・宗教・歴史
    • ケア・病
    • 児童書・絵本
      • 児童書
      • 絵本
    • 芸術・音楽
      • 芸術
      • 音楽
    • 漫画
    • 映画・演劇
    • テキスト・その他
    • 雑誌・文芸誌 
      • 雑誌
      • 文芸誌
    • 雑貨
      • 栞
      • ブックカバー
      • 他
    • 料理・レシピ本・生活
  • CONTACT
  • お知らせ
CATEGORY
  • 新刊・新本
  • 文芸
    • フィクション
      • 国内
      • 海外
    • ノンフィクション
      • 国内
      • 海外
    • 詩・歌集 
    • エッセイ・随筆・日記
    • 批評
  • 哲学・思想・教育・宗教・歴史
  • ケア・病
  • 児童書・絵本
    • 児童書
    • 絵本
  • 芸術・音楽
    • 芸術
    • 音楽
  • 漫画
  • 映画・演劇
  • テキスト・その他
  • 雑誌・文芸誌 
    • 雑誌
    • 文芸誌
  • 雑貨
    • 栞
    • ブックカバー
    • 他
  • 料理・レシピ本・生活
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表記

© 時庭文庫

Powered by

キーワードから探す

カテゴリから探す

  • Home
  • 新刊・新本
  • 新刊・新本
  • 文芸
    • フィクション
      • 国内
      • 海外
    • ノンフィクション
      • 国内
      • 海外
    • 詩・歌集 
    • エッセイ・随筆・日記
    • 批評
  • 哲学・思想・教育・宗教・歴史
  • ケア・病
  • 児童書・絵本
    • 児童書
    • 絵本
  • 芸術・音楽
    • 芸術
    • 音楽
  • 漫画
  • 映画・演劇
  • テキスト・その他
  • 雑誌・文芸誌 
    • 雑誌
    • 文芸誌
  • 雑貨
    • 栞
    • ブックカバー
    • 他
  • 料理・レシピ本・生活