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『日本軍慰安婦』
吉見義明
岩波書店/新書/302頁 2025.7.18発行
定価1,120円+税
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一九九一年の金学順さんの告発に衝撃をうけた著者は関係文書を丹念に収集分析し、九五年刊行の『従軍慰安婦』で「慰安婦制度」の主体が軍であったことを明らかにした。しかし「軍慰安婦」たちの苦難を否定する声は今も後を絶たない。前著刊行後明らかになった多数の資料や証言も用い、あらためてその全体像と実態を描き出す。
目次
はじめに
Ⅰ 軍慰安所の最初の設置――満洲事変期
1 軍慰安所と軍慰安婦
2 最初の軍慰安所と陸軍の前史
3 満洲と熱河省の場合
Ⅱ 軍慰安所の大量設置――日中全面戦争期
1 華中での設置
2 華北での設置
3 華南での大量設置
4 満洲での設置
5 陸海軍中央と国家の主導
Ⅲ 東南アジア・太平洋地域への拡大――アジア太平洋戦争期
1 東南アジア・太平洋地域での設置
2 陸軍省・海軍省の主導
3 日本軍はなぜ軍慰安所を必要としたか
4 軍慰安婦の人数・出身地と様々な慰安所
Ⅳ 女性たちはどのように集められたか
1 日本から
2 朝鮮から
3 台湾から
4 中国で
5 東南アジア・太平洋地域で
Ⅴ 軍慰安婦が置かれた状態
1 管理・統制の実態
2 軍慰安婦の日常はどのようなものだったか
3 軍慰安婦の抵抗と主体性
Ⅵ 軍慰安所と兵士と日本社会
1 軍慰安所の利用
2 軍慰安所の拒否
3 性買売と日本社会
Ⅶ 日本軍と日本政府はどのような法律に違反したか
1 軍慰安婦をめぐる戦争犯罪裁判
2 日本はどのような法律に違反したか
Ⅷ 敗戦直前および敗戦後の状況
1 ソ連軍用慰安所の設置
2 連合国軍用慰安所の設置
3 軍隊に慰安所はつきものか――各国軍隊の状況
4 軍慰安婦の戦後
おわりに――軍慰安婦賠償運動の歴史と残された課題
1 問題の浮上からアジア女性基金の活動まで
2 世界人権会議から日韓合意まで
あとがき
参考文献
著者略歴
吉見義明(よしみ・よしあき)
1946年生まれ.1970年東京大学文学部卒業.1973年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退.中央大学名誉教授,大阪公立大学大学院客員教授.日本近現代史
著書―『焼跡からのデモクラシー――草の根の占領期体験(上下)』(岩波現代文庫,2024年),『草の根のファシズム――日本民衆の戦争体験』(岩波現代文庫,2022年),『買春する帝国――日本軍「慰安婦」問題の基底』(岩波書店,2019年),『日本軍「慰安婦」制度とは何か』(岩波ブックレット,2010年),『毒ガス戦と日本軍』(岩波書店,2004年),『従軍慰安婦』(岩波新書,1995年),『従軍慰安婦資料集』(編集・解説,大月書店,1992年)など
(以上、版元より)
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