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『雨雲の集まるとき』
ベッシー・ヘッド 著/横山仁美 訳
雨雲出版/四六判・並製・288頁 2025/6/1発行
定価2,700円+税
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「ただ、自由な国に暮らすのがどういうことなのか、感じてみたいんです。
そうしたら、僕の人生の邪悪なものが正されていくかも知れない」
アパルトヘイト時代、南アフリカ。政治犯として刑務所で二年間を過ごしたジャーナリストの青年マカヤは、国境近くに隠れて夜を待っていた。闇に紛れて国境フェンスを乗り越え、新たな人生へ踏み出すために。たどり着いたのは独立前夜の隣国ボツワナの村ホレマ・ミディ。農業開発に奮闘する英国人の青年ギルバートと出会い、初めて農業・牧畜に携わることになったマカヤ。しかし、非人間的なアパルトヘイト社会の南アフリカとはまるで違う、自由の国であるはずのボツワナにも抑圧者は存在した。マカヤはこの国の抱える人種主義や抑圧の問題、人間の善悪、そして干ばつの苦しみを目の当たりにする。深い心の闇を抱えたマカヤは、やがて村人との出会いで傷ついた自らの心を癒していくが……。
「人間がもっとも必要としているのは、他の生命との関わりあいだ。
もしかすると、ユートピアもただの木々なのかもしれない。もしかすると」
南アフリカ出身の重要作家ベッシー・ヘッドが、亡命先ボツワナで発表した1968年の長編第一作、待望の邦訳。アパルトヘイトの抑圧から逃れ、自由を求めて国境を越えた青年マカヤは、ボツワナ農村の開発に関わりながら、差別や抑圧、人間の善悪を目の当たりにする。貧困、開発、宗教、民主主義、ジェンダー、部族主義と向き合い、鋭い筆致で人間の本質を描いたアフリカ文学の傑作。
■ベッシー・ヘッドと『雨雲の集まるとき』の魅力■
アパルトヘイト時代の南アフリカに生まれ、ボツワナへと亡命した作家ベッシー・ヘッド。白人の母と黒人とされる父を持ち、人種差別政策の犠牲となりながらも、そのまなざしは常に「人間」に向けられていました。そんな彼女が1968年に発表した初の長編小説『雨雲の集まるとき』は、南アフリカの抑圧から逃れ、新たな生を求めてボツワナにやってきた青年マカヤを主人公に、農業開発に取り組む人々との交流を描きます。土地に根ざした人々の営み、人種差別や部族主義の呪縛、そして静かに流れる希望――詩情あふれる筆致と鋭い洞察が交差する物語は、今なお新鮮な問いを投げかけます。彼女が紡いだ言葉は、国や時代を超えて生き続けています。
■著者ベッシー・ヘッド/Bessie Head
1937年、南アフリカ・ナタール州ピーターマリッツブルグの精神病院で生を享ける。アパルトヘイト法の下、異人種間の結婚・性的関係が違法だった中、白人の母親と黒人と思われる父親(不明)のあいだに生まれたが、預け入れられていた英国系ミッションスクールで初めて出生の秘密を知らされる。その後、教師の職を経てジャーナリストとなり、ハロルド・ヘッドと結婚するが離婚。アパルトヘイト下で政治活動に関わっていたためパスポート取得が許可されず、26歳で幼い子どもを連れ出国許可証のみで隣国ボツワナに亡命。以後、22年間で孤独な暮らしと貧困の中、精神疾患を経るが、やがて作家として名を知られるようになる。三編の主な長編小説と、その他短編小説、エッセイ等を出版し、世界各地の文学イベントや大学で登壇するなど活躍を見せるも、1986年、48歳で肝炎を患い、南アフリカに戻ることのないままセロウェにて急逝する。
■翻訳者 横山仁美
(よこやまひとみ)
1976年生まれ。大学学部生時代に偶然選択したアフリカ研究のゼミがきっかけでアフリカ地域研究を始め、南アフリカとボツワナの作家ベッシー・ヘッドを知り、以後彼女の小説の翻訳をライフワークとする。1998年にボツワナにてベッシー・ヘッドのアーカイブ調査を実施。2001年英国エディンバラ大学アフリカ研究センター修士課程修了。2005~2007年、外務省専門調査員として在ジンバブエ日本大使館に勤務。JICA(独立行政法人国際協力機構)、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ))を経て開発コンサルティング企業に勤務し、アフリカ地域を中心にODA(政府開発援助)プロジェクトに携わる。2023年、雨雲出版を設立。
(以上、版元より引用)
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